アーロンチェア 何が違うの?どう選ぶの?

※先頭固定記事 随時加筆しています

こんにちは、アーロンチェアの庄文堂、近内です。

今回はアーロンチェアの選び方についてお話します。

今まではあまり詳しく書いてしまうという部分で少しひっかかりがあったので書いてきませんでしたが、最低限の部分だけでも書こうかと思います。

何が出来てどういう椅子なのか

腰のサポートとしてはランバーサポート・ポスチャーフィット仙骨サポートを搭載しています。

筆記やキータッチなど、集中すると前かがみになってしまうケースに対応すべく前傾チルト機能が設定可能。

サイズ展開がある椅子で、適切なサイズ、適切なリクライニング強度を設定しないといまいち効果が実感できないという事が多いです。

まずは試すことが大事と言うのはありがちな話ですが、試す際に知識が無いと判断しずらいのかなと思います。

サイズの選び方は後述しますので参考にしてください。

たくさん種類があるけど何が違うの?

これはよく頂く質問です。

結論から申し上げますと、ライトシリーズ(廃盤)以外は機能・性能は同じです。

一部パーツの素材が違うだけですね。

現在は3つのカラーで展開されており、グラファイトカーボンミネラルの3色が基本です。

2022年、ブラックカラーの販売が開始されました。

ベースはオニキスウルトラマットというカラーです。

海洋プラスチックを採用したアーロンチェア 新色「オニキス」とは

その中で、ベース(脚部分)の素材が樹脂のもの(ツヤ無し)、素材がアルミダイキャストに塗装したもの(ツヤ有り)などに分かれます。

他にも、ベース部分がアルミダイキャストで研磨のみを行ったポリッシュドアルミニウムというモデルがあります。

弊社で展開しているポリッシュドアルミニウムモデルは全てアームパッドが本革です。

ちなみに本革のアームパッドは保証対象外ですのでお気を付けください。

 

また、ポリッシュドアルミニウムは研磨しているだけです。

そのため、普通に使っているだけでも空気に触れているので、くもりや錆が発生します。

まだリマスタードがリリースされて4年のため、そこまで酷いケースは確認できていませんが、旧アーロンチェアでは糸状腐食が発生した個体も確認しています。高い湿度の環境下で発生します。

対応策として、数か月に1度は粒子の細かい研磨剤で磨くと輝きを維持できます。商品名はここでは書けませんが、研磨剤の銘柄まで知りたい方は連絡ください。

※紙・布ヤスリはダメ!ゼッタイ!(違法薬物もダメ!ゼッタイ!)

そういう作業も含めて楽しめる方にお奨めです。

 

ちなみに脚部分の側面とか、陰に隠れている部分は大して処理もよくありません。

研磨もされていない部分もありますし、多少デコボコしてます。

上から見える部分は研磨してあります。

 

ポリッシュドアルミニウムベース 側面

 

また、以前弊社のブログではハーマンミラー社が紹介しているお手入れ方法に則って、「ポリッシュドアルミニウム用のワックスを塗布」と紹介していましたが、実際は上記のような対応で問題ありません。

ポリッシュドアルミニウム用のワックスって何なんでしょうね・・

アメリカとかでは売ってるんでしょうか。

 

 

グラファイトカラーのベースは樹脂のもののみ、カーボンのベースはアルミダイキャストに塗装をしたもののみ、ミネラルのベースは樹脂のもののみを扱っています。

昔は価格を抑えて提供したいという事で、カーボンのベースが樹脂のものも扱っておりましたが、現在は通常在庫での展開をしておりません。

今扱ってないものでも取り寄せる事は出来ますので気になる方はお問い合わせください。

 

これらのような各パーツの素材・仕様により金額が変わります。

 

ミネラルカラーはコロナ禍のテレワーク増加によりお問い合わせが増えています。グラファイトだと重すぎる印象を受けるため、部屋のトーンに合わせて明るい色が良いというケースですね。

気を付けなくてはならないのは、ミネラルは色移りしてしまうという事です。

ジーンズが危ないですね。メッシュにもフレームにも藍色がうつります。

消しゴムである程度落せるケースが多いですが、広範囲になることと、完全には落とせないため、ジーンズをよく穿いて座る予定の方は避けた方がいいです。

加えてキャスターの仕様によっても金額が変わりますが、それについては次項で説明させて頂きます。

 

また、前述したライトシリーズは機能を絞ったうえで、価格を抑えて販売しているエントリーモデルのような立ち位置です。

※2022年10月、ライトシリーズは廃盤となりました

販売価格(リテールプライス)が通常のモデルと比べて2倍ぐらい違いますが、定価はそれなりにします。

ライトシリーズについてはまた別な機会に説明いたします。

※続きを書きました

アーロンチェア ライトシリーズの注意点

キャスターについて

キャスターは2種類、ナイロン製のBBキャスターとウレタン製のDC1キャスターがございます。

ナイロン製はカーペット用、ウレタン製はフローリング/カーペット兼用で設定されています。

一般的にウレタンキャスターは傷予防として販売されている事が多いですが、アーロンチェア自体の重さに加え、そこに座るユーザーの自重も考慮すると、100%傷を予防することは出来ないと考えています。

そのため、傷予防という観点から見ると、カーペットの使用を推奨しています。

ウレタン製キャスターはキャスターが走りすぎてしまうことに対する、滑り止めとして販売されております。

サイズが3つあります

アーロンチェアはサイズ展開がある珍しい椅子です。

これは、多くの椅子が5~95パーセンタイルの体格をカバーしているところ、3つのサイズ展開をすることにより、1~99パーセンタイルの体格をカバーするためです。

ブログ冒頭で言及したとおり、この3つのサイズ展開により購入時に混乱する方が多いのも事実です。試しに座る際、しっかりとした知識のある状態で座らないと、「こんなもんかな」という感想で終わってしまうのではないでしょうか。

これはとりあえずBサイズでいいかな?的な部分が影響していると思いますね。

特にAとBサイズ、ここが難しいです。

ショールームで色々な方のケースを見ている分には、私の経験上、AとBのボーダーラインは167cmぐらいでしょうか。

※あくまで目安ですのでご了承くださいませ

脚の長さや胴回りによってAとBどちらを選択するかという話になってくるのが167cmぐらいの方が多いです。

ちなみに耐荷重の話をすると、Aサイズは136kg、BとCは159kgですが、後述する椅子の選び方では、体重ありきで選びません。

耐荷重はあくまで椅子として「座れる」という意味です。体重がある程度あると、軋み音などは当たり前に発生します。ハーマンミラーは音に関する保証は行いません。(リクライニング時の異音は別です)

Cサイズは目安180cmといったところでしょうか。

手計ですが、サイズ詳細はこちらです。

Cサイズは2022年からシリンダーの仕様を変更しています。

※庄文堂独自の変更です。

アーロンチェアのCサイズについて

サイズの選び方は?

肝心のサイズ選びについてです。

まず、ハーマンミラー社製のオフィスチェアにはポスチャーフィットという腰のサポートが導入されています。

アーロンチェアのポスチャーフィットは外付けでパッドになっておりますが、セイルチェアやミラ2チェア、エンボディチェアなどのアーロン以外の椅子は設計の段階から出っ張るようにデザインされています。

簡単に言うと、着座姿勢をとった際に、斜めに傾いてしまう仙骨・骨盤を後ろから支え、傾いている状態から立たせる事によって、根本からまっすぐにし、猫背を予防しましょうというサポートです。

このサポートの恩恵を受けるためには椅子に深く座る必要があり、極端な話、深く座ってサポートの恩恵を受けないのであれば、別にハーマンミラー社の椅子でなくてもいい話かなと思います。

上記のポスチャーフィットに腰を当てるために深く座って頂きますが、その際に、フレームの先端に脚が当たってしまって痛くなければサイズ的には問題ありません。

フレームに触るぐらいであれば問題ないですが、当たって痛いとなると、血流の阻害となりますので避けてくださいね。

座面中央部、お尻側のメッシュの端から先端のフレームまでを計測した数値では、Aサイズが約44cm、Bサイズが約46cm、Cサイズが約50cmです。
先端が下がっているので体感は1cmぐらい短いとは思います。
座ると自重でメッシュが沈みますのでなおさら難しいですが、参考までに。

前述した耐荷重の部分の話に戻りますが、100kg超えてるからCという選び方は腰のサポート的にマッチしないケースが多いので、座面のサイズを優先してください。

 

ちなみに私は身長182cmでちょうどBとCのボーダーライン上の体格です。

私は、すこ~し、ほんの少しですよ!脚短いんでBサイズです。

 

サイズ選択時のケースとして、Bサイズで奥行はOKなんですが、肩幅に対してアームが少し外側にあるという場合があります。Bサイズの横幅が広く、アームを使用する際に腕が広がって負担がかかるため、Aサイズの方がマッチする事もあります。

机の天板に対して高さが合わない事も多いですね。

フットレストの使用も視野に入れていく必要があると思います。

フットレストを使用する事で前かがみになりすぎる事も防げますので、お手軽かつ重要かと思います。

リクライニングについて

そもそも座るという行為自体、身体に負担がかかる行為になります。

背もたれに寄りかかって110度ぐらいに開いている状態と、前傾で80度ぐらいに傾いている状態では、筋肉・椎間板への負担は大きく異なります。

さらに、座る事により、股関節・膝と2か所に屈曲が出来てしまいますね。

そこで血液の循環が悪くなり、むくみやだるさが出てしまう事に繋がっていきます。

その負担を減らすためにも、意図的に動くことをお勧めしています。

上下昇降デスクが出てきたのもこの流れで、立って仕事がはかどる!とかでは無いです。

意図的に身体を動かすことで健康な状態を保ちましょうってことですね。

上下昇降デスクも良いですが、家庭内で、職場内でと使いまわせるデスクライザー「モント」がお勧めです。

CBS デスクライザー モントが発売

実際に試して頂けると分かるのですが、ハーマンミラー社のリクライニング硬さ調節はかなり幅があります。

柔らかい設定から硬い設定まで、体重が軽い方から重い方までですね。

車に乗って運転するときに、シートの高さを調節して背もたれの角度調整もしますよね。

それと一緒で作業をするために適切な設定が必要です。

 

分かりやすくするために、最初はわざと合わない設定にしてから徐々に合わせていくのが良いかと思います。

私が推奨している合わせ方なので、ほかにもっといい合わせ方があるかもしれません。

いや、あると思います・・

まずはじめに、リクライニングの硬さ調節レバーをマイナスいっぱいまで回してください。

そうすることにより軽くなります。

体重によってはこの状態で座るとひっくりかえるぐらいになりますので、気を付けてくださいね。

手で押しても軽いのが分かるので、明らかにアレな場合は硬めからスタートでも良いです。

この軽い状態でリクライニングをして、上体を起こして戻る時、自分の力で戻っているのであれば、軽すぎます。

自分の力で戻るという事は、自分の腹筋を使って無理矢理起きている状態です。

この状態からどんどんプラス方向にレバーを回し、ある程度自分の力では無く、誰かが後ろからちょこんと押してくれているような戻り方になるまで調整してください。

これでOKです。

前傾設定について

前傾チルトってよく聞くけど何のこと?って方、多いと思うんですよ。

前傾がいいらしいよ。アーロンチェアがいいらしいよ。ん~、いいかもしれないなぁ。でもよくわかんないな。

理由が分からないから何が良いのか、何に効いてるのか分からないですよね。

人間は見たいものに姿勢を支配されてしまう

皆さん経験あると思いますが、集中するとどうしても前かがみになってしまう事は仕方ない事だと思います。

筆記を例にあげます。

筆記という行為自体がやはり頭を下に向けさせる事になりますよね。

見ているものが下にありますので。人間は見たいものに姿勢を支配されてしまいます。

見たいものに姿勢を支配される ノートを見る

PCのモニターの場合はモニターアームでモニター自体を適切な場所に動かしましょうという案内をしますが、筆記は難しいかと思います。

見たいものに姿勢を支配される モニターを見る

対象物に対して近づいて行ってしまうため、前かがみになります。

前かがみになると股関節が圧迫されてしまいます。上半身だけが前のめりになるためですね。

背もたれに寄りかかった状態

前かがみになった状態

上半身が前のめりになる事で上半身の荷重を背もたれで分散させることが出来なくなり、腹筋で身体を支えることになります。

これらが絡み合い、姿勢が固まり、血流が悪化、胸が丸まってしまうため呼吸の質も落ちます。

呼吸の質が下がると酸素の供給が低下しますのでパフォーマンスも落ちてしまうという流れです。

ちなみに私は呼吸とか、目に見えないものを言われるとちょっと引くとこがあるんですよね(笑)

ちょっと試してみましょうか。

これは、前かがみになった状態(胸が丸まってしまっている状態)と、背もたれにしっかり背中を預けた状態で深呼吸をしてもらえれば違いが分かると思います。

椅子に座り、手を胸の前でクロスさせ、右手を自分の左肩に、左手を自分の右肩に当て、少し前かがみになって深呼吸をしてみてください。
その後、背もたれに寄りかかって手を外し、外した手をアームに置くなどして胸が広がった状態で深呼吸をしてみてください。
そうすることで、前かがみになる事による呼吸の質の低下は体感頂けるかと思います。

意識しなくても呼吸はしていますからね。その無意識の呼吸の質が高いか低いかの話です。

アーロンチェアやセイルチェア、ミラ2チェアにある前傾チルト機能を使用すると、座面ごと椅子が前に傾きます。

そうすることによって、前かがみ時の股関節の圧迫を防ぎ、かつ、背もたれが前に傾く事で背もたれから離れてしまった背中をサポートします。

前傾チルト設定を行った状態

このような仕組みになっており、この仕組みだから前傾チルト機能をお勧めしています。

最後に

いかがでしたでしょうか。

基本的には座面でサイズを選び、腰のサポートの恩恵を受ける事が重要かと思います。

もちろんそれだけでは無いのですが、私としては絶対的な部分はそこかと考えています。

そもそもの作業姿勢やデスク周りの環境によってはアーロンチェアが絶対という事ではありません。

コロナ禍でテレワークが増え、ショールームで色々とお話をさせて頂く中で、セイルチェアミラ2チェアといったアーロンチェアよりも安価なモデルに変更し、浮いたお金でモニターアームなどの周辺機器も揃えるというケースも非常に多いです。

椅子だけではないですからね。

以前の記事でも紹介しましたが、ノートパソコンでずっと下を向いて作業をして、首が痛いという事で椅子を見に来る方が多いです。

でもこれは、モニターの位置の問題ですので。

椅子に加えて机の上の環境も同時に整えていくことが必要になります。

そういう場合にはラップトップマウントなどをお勧めしています。

一番簡易なものはオリプラですね。

CBS ラップトップをマウントするオリプラが発売

私は慣れてしまっていて麻痺していますが、椅子としては明らかに高い部類ですよね。

分からない事も多いかと思いますので、お気軽にご相談いただければと思います。

それではまた次回。