クラシックアーロンチェアの保証修理事例

こんにちは、アーロンチェアの庄文堂、近内です。

保証修理の申請方法を紹介した記事の中でも言及しましたが、各椅子ごとに保証修理の事例を紹介していきたいと思います。一部お客様から頂いた修理ケースの写真を掲載しながらご説明させて頂きます。

今回はクラシックアーロンチェア(廃盤品)です。

庄文堂の修理実績は

あくまで電子化している記録だけの数になりますが、弊社の累計取引件数(台数ではありません)は2021年12月現在約21,000件、保証内修理の件数は約1,600件ほど対応させて頂いております。

取引数、修理数でも一番多いのが今回ご紹介するクラシックアーロンチェアになります。

パーツ直送対応品

この項目のパーツは全てメーカー直送となり、ご自身で交換を行って頂きます。

バナナクッション(座先端クッション)

ケースとしては一番多いかと思います。

座面先端の裏側に装着されているクッションパーツで、座面の張りを保つために装着されております。

経年劣化によりボロボロに崩れてきてしまい、椅子の下に黒いカスが落ちている事に気が付いてご連絡を頂くことが多いです。

交換時は両面テープで固定するようになります。

ポスチャーフィットパッド

こちらは仙骨のサポートパーツです。

コアラのマーチみたいな形してますよね。コアラのマーチ美味いですよね。

深く座って骨盤・仙骨をこのパーツに当て、根本から仙骨・骨盤を立たせるためのパーツです。

ご自身でご連絡を頂く方の多くが、このパーツ自体が割れてしまうというケースです。

写真右の状態ですね。

写真左と真ん中のケースはスポンジ自体が経年劣化により硬化・黄色く変色したり、ボロボロに崩れてしまうケースです。

本来は真っ黒でマシュマロより少し硬いぐらいの硬さです。

ランバーサポート

ランバーサポートはポスチャーフィットのモデルが発売されるまでメインで販売されていたモデルですね。

これは背もたれに繋げる部分や本体の真ん中でパカッと割れてしまう方が多いです。

アームパッド(ビニールレザー)

基本的には破れてしまってアームパッドとしての機能が著しく失われた場合が対象となるケースが多いです。

へこみでのお問い合わせも受けますが、ケースバイケースです。

よくアームカバーを付けている方が多いですが、カバーを付けると破けるまで行かない事が多いんですよね。

へこんで終わり、破けないから対象外となってしまう。という方が今までに何件も確認出来ています。

ちなみにレザーアームパッドは保証対象外です。

保証対象となった場合、アームパッドは左右セットで交換となります。

キャスター

これはケースとしては少ない方です。

キャスターは双輪で、その片方が外れてしまうケースが多いです。

この状態は分かりやすいですが、キャスター自体の動きがおかしくなっている場合も対象となる可能性がございます。

その場合は口頭では無く、動画で状態をお知らせ頂く事になります。

キャスターの交換は少しコツがいりますがパーツと共に届く交換マニュアルに従って行えば大丈夫です。

ウィッシュボーン

これはポスチャーフィットパッドが装着されているY字部分です。

これはかなり稀なケースです。

保証対応出来たケースも、出来なかったケースもありますので、申請してみてどうなるかといった感じです。

症状としてはY字部分のみが白化するというケースです。

ただこれ、使う分には支障がないんですよね。

シートアップリケ

なんだこのパーツ!って、私は最初見たとき思いましたよ。

ちゃんと見ると付いているんですよね。

ポスチャーフィットを使用する際、座面フレームと背のメッシュ部分の摩擦(負担)軽減するためのパーツです。

かなり稀ですが、割れて外れてしまうケースがございます。

左側の写真が装着されている状態。右が単体です。

お預かり修理 or 訪問修理

この項目のパーツは全てお預かり、もしくは訪問修理にて対応となります。

ピボットボルト(座面を留めるボルト)

これは座面を留めるボルトです。

座面を留めるこのボルトには毎日負荷がかかりますので、突然外れてしまう事が多いです。

途中で折れてしまう事もあり、症状によって交換パーツが異なります。

基本的には片方のボルトが外れたら両方のボルトを交換します。

アームレスト

アームレスとは固定不良での連絡を頂きます。

大前提として、アームレストはガタツキが発生したとしても対応不可です。

その場合は5mm~10mm程度位置を上下して使用してください。

保証対応が可能なケースとしては、何もしなくても自然とアームが落ちてきてしまう状態のみです。

この症状が発生し、その症状をメンテナンスにて実際に確認が出来たときのみ対応可能となります。

時期によって写真左のようなダイヤル式と、右のレバー式と2種類ございます。

修理を依頼する際はどちらの種類か特定する必要がございますので、判別できる写真は必須です。

アームパッド内スイングワッシャー

これは気が付かないケースが多いです。

アームパッドは扇状に首振りできますが、その首振りをピタッと止めるためのパーツです。

椅子の下に5mm程度のパーツが落ちている事で連絡を頂くことが多いです。

今思えば、首振りの固定が出来なくなったという連絡は貰った事が無いと思います。

実際、弊社で使用しているアーロンチェアもいざ中身を見てみたら欠損していました。

チルトボックスカバー

チルトボックスとは座面下にある箱状のパーツです。

このパーツ内に板バネが入っており、リクライニングなどの椅子の動きを制御しています。

椅子の心臓部分ともいえる非常に大事なパーツです。

このカバーのツメが折れてしまい、蓋が閉まらない事があります。

蓋が閉まらない状態で何か不具合が起こるというよりは、蓋が開いてしまっているがために、そこからホコリが入り込み、故障を招くという事に繋がります。

レバーの取っ手

これはそのまま、レバーの取っ手です。

上下昇降レバーやリクライニングのレバー、前傾チルトレバーの取っ手が折れたり抜けてしまうというケースですね。

前傾チルト

前傾チルトが動作しないというケースですね。

正直、半分ぐらいが操作が上手くできていない事が多いです。

高い確率で見分ける事が出来るという部分としては、前傾チルトレバーを下げた状態で、ワイヤーのピンが伸びたままになっている状態でしょうか。

写真のレバーを見ると左側のピンが上に伸びたままですよね。

前傾チルトが動作せず、ピンがこの状態になってしまっていると、故障している可能性が高いです。

上下昇降シリンダー

上下昇降シリンダーが故障すると、上下昇降が出来なくなります。

ガスが消耗品ですので保証は2年間です。

じゃあ2年でダメになるのかっていう話ですが、ほとんどの方が一度高さを決めたら変えませんからね。

頻繁に変えない限り消耗も少ないです。

2年の保証期間が終了した場合は有償修理となります。

有償修理はまた別の機会に紹介する記事を公開しますね。

ほとんどの方は別の修理で預かった際に、シリンダーのガス圧レベルを測定して低下していたとか、シリンダー故障の初期症状であるガタツキや異音が発生している事を受けて、壊れる前に交換している印象です。

何か動作がおかしいなと思ったら相談してくださいね。

発生したら相談してほしい事象

ここからは発生したら相談してほしいケースです。

リクライニング時の異音

これはアーロンチェアに限らず発生しますし、長く使っていればほぼ99%発生するとみています。

リクライニングを制御するチルトボックス内には出荷時にグリスが塗布されています。

そのグリスが蒸発してしまい、パーツが擦れ合って異音が鳴るという仕組みです。

壊れたというより、使っていればこうなるというケースです。

メッシュの破れ

メッシュの破れは保証対象外です。

メーカーも下記のように記しています。

•鋭利な物、異物、経年変化によるマテリアルの損傷もしくは跡、またはテキスタイルの摩耗。(ペリクル、ファブリックの通常使用による破損は保証外)

とはいえ、メッシュの破損は椅子自体としての機能を著しく失うケースですのでまずは弊社にご連絡ください。

最後に

いかがでしたでしょうか。

使っていれば何かしらの不具合は発生します。

何かあればお気軽にご連絡くださいませ。

それでは、また次回。