イームズシェルチェア誕生時の3原色

こんにちは 庄文堂ストアマネージャー 阿部です。
今回もイームズ製品について話をしてみようと思います。

イームズシェルチェア、
今では、多彩な色と形のラインナップがそろっており、
環境にやさしい素材で作られていますが、
初期に何色の色が作られていたかご存知ですか?

以前ファイバーグラスシェルチェアのお話をしましたが、
誕生した過程などはお話しておりませんでしたので、
今回は、よりDeepなイームズファイバーグラスシェルチェアの誕生秘話を、話してみたいと思います。

最高のもの最大多数のため最小の費用で

by チャールズ・イームズ

1947年、ジョン・ウィルズが、ファイバーグラスの常温硬化法を発見した。

その方法を使うことにより、熱を加えずファイバーグラスを加工できるようになりました。

1948年~1949年

チャールズイームズがジョン・ウィルズの工場に工作紙で作った肘つきのシェルを持ってやってきました。

この模型を元に2台のアームシェルチェアの試作品が作られました。

一台はチャールズ・イームズが持ち帰り、一台は工場に半世紀以上置きっぱなしだったそうです。
(その後 ヘンリーフォード博物館に寄贈されています)

プロジェクトは、ハーマンミラー社、ジーニス・プラスチック社、イームズオフィスの三社共同で行われ、
複雑な形のアームシェルチェアを作れれば、肘なしのシェルチェアはピクニック気分で作れるという理由から、
ハーマンミラー社、ジーニス・プラスチック社、イームズオフィスの見解が一致
いよいよ制作に入っていきます。

イームズは、素材だけではなく、色にもかなりこだわったそうです。

3色のシェルチェア

始めに作られたシェルチェアは3色でした。

薄い黄緑、グレーベージュ、エレファントグレー

エレファントグレーとは、淡い黒いのことです。

調合が難しく、工場で何度も失敗したそうです。

そこで、チャールズに、自分で作ってみてほしいと、
作業を担当していた、アーブ・グリーンが言ったそうです。

そのときチャールズは自分が言わんとする形があるように、
言った言葉は、こうでした。

「僕が本当に欲しいのは、気持ちのこもった黒なんだ」と

まとめ

初期のシェルチェアは、本体に縁にロープが埋め込まれていたそうです。

後に、経費節約の理由で除去されました。

構造上欠陥の無いシェルチェアが、褐色を理由に数多く不良品が出ていました。

そこで布地を張ることを思いつき、それが大成功を収めることになりました。

イームズは昔から思い描いていた、
最高のもの最大多数のため最小の費用で
という思いを、ファイバーグラスシェルチェアで達成させたのでした。

今回はイームズシェルチェアの誕生秘話についてお話しました。

次回もお楽しみに。