イームズシェルチェア3つの違い②

こんにちは 庄文堂NEXT ストアマネージャー阿部です。
イームズシェルチェア3つの違いと題して前回から全三回で書いています。
前回は正規品、リプロダクト品の違いやメリット、デメリットについてお話しました。
今回は、2/3回目、イームズシェルチェアと歴史背景と素材について書いていきます。

イームズシェルチェアが生まれた時代

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イームズシェルチェア

1948年にMoMA主催「ローコスト家具デザイン」コンペに、
金属をプレスして成形したシェルチェアを出品しました。
さらに、コスト抑制の為に、新素材、FRPで成形した、
シェルチェアを出品したのが始まりと言われています。

1950年、世界初のファイバーグラス製 イームズシェルチェアは
ハーマンミラーから正式に発表されます。
そこから50年以上愛されている、
ミットセンチュリー期を代表するデザイン
イームズ シェルチェアは、当時の新素材FRPで形成されています。

第二次世界大戦で米軍が開発した素材FRP

FRPとは?

ガラス繊維など、繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた
繊維強化プラスチック(Fiver Reinforced Plastics)のことです。
第二次世界大戦時、救命ボートやヘルメットなどを作る素材として始めて実用化されました。
ガラス繊維で強化された繊維強化プラスチックを使用することにより、
金属より軽く、丈夫で安価で自由な曲面を制作できるようになりました。

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まとめ

イームズシェルチェアは、チャールズ&レイ・イームズにより、
型を利用して、ファイバーグラスを何層にも接着して、
最後に外形を整えて生産するという、
世界でも、革新的な、
大量生産方法を用いた商品としてハーマンミラーから世に出されました。
今はFRPは幅広い用途で使われています。
テニスのラケットや、スキー、ベンチ、車のボディや船、飛行機、
など様々な用途で使われていますが、当時は最先端の技術でした。
その後、FRPが進化したものが、カーボンであり、ケブラーです。
今回はここまでです。
次回はFRPを使って成型していたシェルチェアが現在どのようになっているか
をお話します。